まず確認
全東信の破産で何が起きたのか。加盟店が最初に確認すること
2026.07.13
カード売上の早期入金サービスを使っていた飲食店・加盟店に向けて、全東信の破産で何が起きたのか、そして今日のうちに何をすべきかを整理します。まずは落ち着いて、未入金額の把握と資料の保全から始めてください(2026年7月13日時点)。
01「入金がない……」
まず通帳を確認。
02「この端末は、
いったん止めよう」
03最後の入金日と、
その後の売上を照合。
04明細・契約書・メールを、
一つにまとめて保存。
05家賃・給与・仕入れを、
支払日順に並べる。
06代替決済を検討し、
今日の営業方法を決める。
07数字と表を持って、
金融機関・公庫へ相談。
08債権届出の期限は、
正式な通知を確認。
漫画の内容をテキストで読む
- 朝、店長が入金を確認しても着金していないことに気づく。
- スタッフが端末で会計しようとする。店長が「いったん止めよう」と伝える。
- 最後の入金日とその後の売上を、通帳・明細で確認する。
- 売上明細、契約書、案内メールを一つのフォルダに入れる。
- 家賃、給与、仕入れの支払予定をカレンダーに書く。
- 代替決済を検討し、今日の営業方法を決める。
- 金融機関または公庫へ、未入金額と資金繰り表を持って相談する。
- 債権届出の期限は、正式な通知を確認する。
いま分かっていること
株式会社全東信は、2026年7月6日に大阪地方裁判所から破産手続開始決定を受けたと、業界団体や信用調査会社が公表・報道しています。負債総額は約1,259億円(2025年3月期決算時点)とされています。加盟店にとって影響が大きいのは、決済端末の利用停止と、入金予定だった売上代金の未入金が同時に起きている点です。どちらも店舗の資金繰りに直接ひびきます。
今日する3つのこと
- 全東信の端末を使わない。以後の決済分まで入金されないおそれを避けるためです。
- 最後に入金された日と、その後のカード売上を突き合わせる。未入金額を出す土台になります。
- 売上明細・入金履歴・加盟店契約書を消さずに保存する。債権届出や融資相談で必要になります。
ケン「うちの店、全東信のカード決済使うとってん。ニュース見てびっくりしたわ。で、結局うちの売上どうなんの?」
ナオ「まず落ち着きましょう。いま確かなのは、2026年7月6日に大阪地裁が破産手続の開始を決めた、ということです。未入金の売上がいつ・いくら戻るかは、この時点では誰にも断定できません。」
ケン「え、戻るか分からへんの?ほな今なにしたらええねん。」
ナオ「順番があります。まず全東信の端末を使うのを止めること。それから、最後に入金された日をはさんで、その後のカード売上を突き合わせること。ここで『未入金がいくらか』の土台ができます。」
ケン「突き合わせるって、明細見ればええんか?」
ナオ「はい。ただし画面の明細は消える前にPDFか印刷で残してください。売上明細・入金履歴・加盟店契約書は、あとで債権届出や資金繰り相談のときに必要になります。」
ケン「なるほどな。ほな回収の見込みとか、届出の期限とかは?」
ナオ「そこは破産管財人や裁判所の正式な通知で確認するところです。いまこの記事で『必ずこうなる』とは言えません。分かった数字だけを、順番に押さえていきましょう。」
店舗で実際に起きていること
都市部の居酒屋やスナックなど、カード決済の比率が高い店ほど影響が見えやすくなっています。よくあるのは、金曜・土曜の売上がまとまった額で入金予定だったのに、端末が止まって以後の決済ができず、過去の売上分も予定日に着金しない、という二重の詰まりです。現金比率が高い店でも、入金サイクルを前提に仕入れや家賃の支払いを組んでいれば、資金繰りのズレが出ます。まずは「いつ入るはずだったお金が、いつ入っていないか」を一つずつ紙に落とすことが出発点です。
未入金額のざっくり試算(例です)
金額の感覚をつかむために、あくまで仮の数字で考えてみます。例えば、1日のカード売上が平均8万円の店で、最後の入金から10日分が未入金だとすると、単純計算で約80万円が宙に浮くことになります。これは説明のための例示であり、実際の店舗のデータではありません。自店の未入金額は、決済日・入金予定日・実際の着金を突き合わせて、根拠資料つきで確定させてください。詳しい出し方は未入金額の計算方法で扱っています。
よくある誤解
- 誤解:破産したのだから未入金は全部返ってこない。→ 戻る額は、債権届出とその後の配当手続きで決まります。ゼロと決まったわけでも、全額戻ると決まったわけでもありません。見込みは管財人・裁判所の通知で確認します。
- 誤解:端末は自分で解約しないとまだ使える。→ 全東信の決済サービスはすでに停止しています。以後は使わない、が基本です。
- 誤解:早く動いた店が優先的に多く回収できる。→ 配当の順位は法律で決まっており、動いた早さで配当額が増えるわけではありません。ただし資料の保全と債権届出は、別の理由(証拠を失わない・期限に間に合わせる)で早いほうが安心です。
よくある質問
Q. 未入金の売上は戻ってきますか。
戻るかどうか、いくら戻るかは、現時点では断定できません。破産手続の中で認められた債権に応じて配当が検討されます。見込みや時期は、破産管財人・裁判所の正式な通知で確認してください。
Q. 今日、いちばん先にやることは何ですか。
端末を使わないこと、未入金額を把握すること、根拠資料を保全すること。この3つです。細かい保全のしかたは最初に保全しておく資料にまとめています。
Q. どこに相談すればよいですか。
資金繰りは取引金融機関や日本政策金融公庫、手続き面は破産管財人・裁判所が窓口です。相談先の整理は相談窓口の一覧を見てください。
この局面での心構え
大きな破産のニュースに触れると、つい「全額戻らないのでは」と最悪の想像に引っ張られたり、逆に「すぐ動けば取り戻せる」と焦ったりしがちです。けれど、いま加盟店にできることは意外とはっきりしています。決まっていない見込みを追いかけるのではなく、手元で確定できること――端末を止める、未入金額を裏づける、資料を残す――を一つずつ片づけることです。手続きの本番は、管財人・裁判所からの正式な通知が届いてから始まります。それまでの準備が整っているほど、通知が来たときに落ち着いて動けます。数字や見込みは変わり得ますが、資料の保全と冷静な把握は、どの展開になっても無駄になりません。
ケン「なんか、ちょっと落ち着いてきたわ。まずは足元を固める、っちゅうことやな。」
ナオ「はい。今日の3つ――端末を止める、未入金を突き合わせる、資料を残す。ここまでできていれば、次の連絡が来たときにすぐ動けます。分からないことは、そのとき管財人や裁判所に確認しましょう。」
ケン「おおきに。ひとりで抱え込まんと、相談先も頼るわ。」
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出典・参考
個別の判断は、管財人・裁判所・金融機関・税理士など担当機関・専門家へ確認してください。
