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お店の資金繰りが厳しいとき、給与とシフトはどうなる?働く人のための基礎知識

この記事は、飲食店などで働く人に向けたものです。勤め先が全東信の未入金などで資金繰りに苦しんでいると聞くと、「来月の給料は出るのか」「シフトはどうなるのか」と不安になります。ここでは、給与支払いの基本ルール、もし給料が遅れたり払われなかったりしたときに知っておきたい国の制度、そしてお店と落ち着いて話すための聞き方を整理します。あくまで一般的な基礎知識で、あなたの状況にそのまま当てはまるとは限りません。個別の判断は、後半にあるとおり労働基準監督署や専門家へ相談してください(2026年7月15日時点の整理です)。

まず知っておきたい3つ

ケン「正直、今月は資金繰りがきつい。従業員8人の顔が浮かんでな…。給料のこと、どう説明したらええんやろ。黙っとくのもズルいし、かというて不安がらせるのもな。」

ナオ「まず、給与には法律のルールがあります。毎月1回以上、決まった日に、全額を支払うのが原則です。ですから『払わなくていい』という話ではありません。苦しいときこそ、いつ、いくら払える見込みかを、分かる範囲で正直に伝えるほうが、みなさん安心できます。」

ケン「もし、どうしても払えへんかったら?従業員はまるまる損するんか。」

ナオ「そうとは限りません。会社が倒産して給料が未払いのまま退職した場合は、国が未払い分の一部を立て替える制度があります。金額や条件には決まりがあるので順番に見ましょう。ただ、そこへ行く前に、まずは資金繰りの相談で払える道を探すのが先です。」

給与支払いの基本ルール

労働基準法では、賃金の支払い方について次の原則が定められています(賃金支払の5原則)。

つまり、「お店が苦しいから今月は払わない」「半分だけにする」といったことを、お店の都合だけで決めることはできません。もし支払いが遅れる見込みがあるなら、お店から働く人へ、いつ・いくら払える見込みかを説明するのが本来の流れです。

もし給料が遅れたり、払われなかったりしたら

まずは慌てず、事実を確認します。遅配(支払いの遅れ)なのか、会社の経営そのものが立ち行かなくなっているのかで、取れる道が変わります。給与明細、雇用契約書や労働条件通知書、タイムカードや勤務記録、振込のある通帳など、給料に関する記録は手元にまとめておきましょう。あとで金額を確認するときの根拠になります。

未払賃金立替払制度という仕組み

会社が倒産して、給料が未払いのまま退職した働く人のために、国(独立行政法人労働者健康安全機構)が未払い分の一部を立て替える制度があります。パートやアルバイトも対象になり得ます。厚生労働省と同機構の説明にもとづく、主な内容は次のとおりです。

項目内容
立て替えられる額未払い賃金の8割(年齢別の上限あり)
年齢別の上限対象となる未払い賃金の総額に上限があり、30歳未満は110万円、30歳以上45歳未満は220万円、45歳以上は370万円。立て替えられるのはその8割まで(それぞれ88万円・176万円・296万円)
対象になる賃金毎月の給与と退職金(賞与は対象外)
最低額未払い総額が2万円以上であること
退職の時期倒産の6か月前から2年以内に退職した人
必要な確認破産管財人などによる未払いの確認
請求先独立行政法人労働者健康安全機構

これは「もしものときの備え」の説明です。あなたが必ず対象になる・いくら受け取れると約束するものではありません。対象になるかどうか、いくらになるかは、退職の時期や倒産の形態、未払い額によって個別に決まります。実際の手続きや金額は、労働基準監督署や破産管財人、労働者健康安全機構の窓口で確認してください。

お店と話すときの聞き方

不安なときほど、感情ではなく事実から確認すると、話が前に進みます。責めるためではなく、自分の生活の見通しを立てるために聞く、という姿勢が伝わると、お店も答えやすくなります。次のように聞いてみてください。

お店側も、資金繰りの相談窓口(取引金融機関や日本政策金融公庫、支援機関)に動いていることがあります。「一緒に乗り切るために、状況を教えてほしい」という聞き方は、対立を生まずに必要な情報を得やすい方法です。それでも給料が支払われない、話し合いが難しいといったときは、お住まいの地域を管轄する労働基準監督署に相談できます。相談は無料です。

シフトや働き方について

シフトが減ると収入も減ります。会社の都合で働く人を休ませる場合、一定の要件のもとで休業手当が必要になることがありますが、これは事情によって判断が分かれる論点です。「減った・休まされた」というときは、その日付と時間を記録に残しておき、扱いに疑問があれば労働基準監督署や専門家に相談してください。ここで断定はできませんが、記録があると相談がスムーズです。

よくある誤解

よくある質問

Q. 給料が1日でも遅れたら、すぐ立替払を請求できますか。

いいえ。立替払は、会社が倒産して未払いのまま退職した場合の制度です。単なる遅配の段階では、まずお店に支払いの見込みを確認し、それでも解決しないときに労働基準監督署へ相談するのが順序です。

Q. 未払い分は全額もどってきますか。

立替払で戻るのは、原則として未払い賃金の8割で、年齢別の上限があります。残りの分は、破産手続の中で債権として扱われますが、いくら戻るかは手続きの進行と財産の状況しだいで、現時点では誰にも分かりません。

Q. 何を準備しておけばいいですか。

給与明細、雇用契約書や労働条件通知書、勤務記録、給料が振り込まれていた通帳など、給料に関する記録をまとめておいてください。金額を確認するときや、相談・請求のときの根拠になります。

ケン「なるほどな。まずは俺が、払える見込みを正直に伝える。そのうえで、もしもの制度もあるって共有しとけばええんやな。」

ナオ「はい。隠すより、分かる範囲で正直に。そして、みなさんには記録を残しておいてもらう。お店も働く人も、同じ情報を持って一緒に動けるのがいちばんです。個別の心配ごとは、労働基準監督署でも相談できると伝えてあげてください。」

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出典・参考

個別の判断は、管財人・裁判所・金融機関・労働基準監督署・社会保険労務士など担当機関・専門家へ確認してください。